近年、看護師の専門性が求められるフィールドが広がりをみせていますが、看護師の単発アルバイトとして人気が高いものに「ツアーナース」があります。

ツアーナースの主な仕事は、小・中・高校の修学旅行（春・秋）、林間学校やサマーキャンプ（夏）、少年サッカーや野球等の遠征、その他の宿泊イベントに付き添って、生徒の健康管理を行うことです。

なかでも修学旅行はどの学校でも年1回必ず行われるイベントですので、安定したニーズがあります。

成人と比較して、小・中学生は健康管理の意識が薄い宿泊先で夜遅くまで騒いで翌日に体調を崩したり、温度差の大きい地域への旅行で風邪を引いたり、新幹線やバス等による長時間の移動に慣れていないため、乗り物酔いを起こすことも少なくなくありません。また最近は食物アレルギーを持つ子供も増えているため、ツアーナースの生徒たちの体調把握に注意を払うことが求められます。

これらのイベントに医師が同行することはありませんので、急な発熱や腹痛、アレルギー反応、怪我などの際にどう対処するかは看護師の判断に委ねられることになります。小学生の年齢だと自覚症状を上手く表現できない生徒もいるため、的確な判断を行うためには、看護師としての観察力や子供とのコミュニケーション能力が問われます。こうして考えてみますと、医療機関で働く看護師とツアーナースでは働く環境に違いはあるものの、医療の専門家として求められている部分は同じといえます。

ツアーナースとして働く場合、看護師免許以外は特別な資格やスキルが求められることはありません。しかし、医療機関と異なり子供の体調が悪くなったときに医師の指示や検査データに頼ることなく、緊急性の有無を判断し、病院への搬送が必要なのかどうか等の判断をツアーナース一人で行うことになりますので、3年以上の臨床経験があるといざという時に慌てなくて済みます。

ツアーナースのお給料は平均して12,000円〜/日くらい（イベントの種類によって多少の差はあります）です。旅行中の交通費、各種観光施設（水族館、博物館、寺社仏閣など）の入場料は勿論、学校側の負担となります。食事手当てとして1,000円〜/日を出しているところもあります。

修学旅行や林間学校、移動教室などの学校イベントは特定のシーズンに集中しています。ツアーナースのアルバイトをしてみたいとお考えの方は、まず看護師専門の人材紹介サービスに登録して、ご自身の空きスケジュール、勤務地（旅行先）などの条件に合った案件が見つかった場合に応募するというのが一般的です。