入所者のバイタルチェック・服薬指導を行います

24時間安心して暮らせるようにサポート

特別養護老人ホームは、認知症を患っている、または病気の後遺症などで寝たきりの状態となり、在宅介護が困難な高齢者のための入所施設です。

特別養護老人ホームにおける看護師の役割は、入所者の健康管理、処置(インスリン投与、痰の吸引、胃ろう管理、褥瘡ケアなど)、介護職への支援、急変時に医師の指示を受けて処置を行うことです。

毎日の全身状態の観察と服薬管理、血圧の状態などを見ながら、入浴して大丈夫なのか、横になってもらったほうがよいのかを判断し、介護士と話し合っていきます。薬を配って内服を確認することや、副作用の観察なども看護師の大切な役割です。

また、特別養護老人ホームは抵抗力の弱い高齢者が集団生活する場所ですので、インフルエンザ等の感染症が流行すると死亡者がでることも予想されます。看護師は施設内の部屋の湿度が一定に保つように工夫をしたり、消毒方法や感染予防のための対策を施設全体で行えるように、スタッフの先頭に立って環境を整えていきます。

特別養護老人ホームでの仕事は、急性期病棟で看護師に求められる緊急性の高い医療行為は必要なく、夜勤もありません(施設によっては夜勤があります)。そのため「年齢不問・未経験OK・ブランクのある看護師さん歓迎」などの求人条件に幅がある施設が多く見られます。

ただし、認知症や寝たきりの高齢者は体調の変化を自覚症状として訴えることが難しいため、異常を早期発見するためにも、3年以上の病棟勤務を経験している方を採用条件としている施設がほとんどです。また、夜間に入所者の容態が急変がした場合には、介護職員では対応できないため、当番制で夜間のオンコールがあります。

特別養護老人ホームで働いていると、入所者の最後を看取る機会も日常生活の一部となります。長い間お世話をしてきた利用者さんを看取ることは悲しいですが、お世話が必要なほかの利用者の元にすぐに戻り、笑顔を見せながら仕事を続ける…。

こうした日常を繰り返すことで、医療機関で働いていた時とはまた異なる看護観の広がりを感じる看護師も少なくありません。今ある命を尊いものとして、看護に対する姿勢はますます磨かれていくことと思います。