外来全体の状態を把握して対応する高い能力が求められます

医師と患者の橋渡し

外来は「胃が痛い」「子供が熱を出した」など、患者さんが何らかの症状を訴えて病院に来たときにまず最初に診察を行う場所となります。

通常は病院の診療開始時間から終了時間までの勤務となることがほとんどですが、救急外来など緊急性の高い症状の場合は、24時間診察を行うことができる場所での勤務となることもあり、この場合は交替勤務が発生します。

外来診療では、朝礼もしくは前日前夜からの申し送りを行います。病院全体としての連絡事項や予約状況の確認など、外来看護師全体が知っておく必要のある内容はここで伝達されます。

受付開始と同時に患者さんは待合室で待機し始めますので、診察開始前には、外来診察室や諸知識の環境整備、物品補充、必要なレントゲンフィルムや検査結果などを診察室に配置するなど、診察が開始になってから派手は慌しくてできないことを行います。受付が終わった患者さんの事前検査の有無を確認し、必要時は検査へ誘導します。

医師が到着したら、いよいよ診察開始となります。看護師は医師の診察中、指示に合わせて採血や注射、包帯交換などの処置や診療の補助業務を行います。時には緊急入院となる患者さんの対応、病棟にベッド状況を問い合わせたり、手術室へ緊急手術の連絡を行うなど、関係部署との連携をとります。入院に必要な検査を一通り終え、入院先となる病棟へ患者さんを移送します。

外来の待合室では、病院でインフルエンザなどに感染してしまうといったことを避ける必要があります。高熱で咳をしているなどの症状がある患者さんには、マスクの着用や手洗いや消毒液による手指消毒を促すなど、患者さんが安心して診療を待つことへの配慮も必要となります。

午後の比較的落ち着いている時間には、カンファレンスやミーティングを行ったり、診療に必要な物品の補充などを行います。患者さんの少ない時間であっても、いつ緊急の患者さんがラインするかも分かりませんので、外来看護師は常に準備を怠りません。また外来では、患者さんや家族からのクレーム対応を行う場面もあります。

これは体調の悪い患者さんが長い待ち時間にイライラしたり、緊急性のある患者さんとの順番を入れ替えたことで、イライラが怒りに発展してしまうことが起こりやすいためです。順番が変更になる場合は可能な限り、事前に説明を行ったり、座っている患者さんに対してはベッドで休みながら順番を待ってもらうなど、臨機応変にコミュニケーションをとる必要があります。外来看護師は、診療の補助作業だけでなく、外来で診療する医師のタイムマネジメントから、患者さんの体調管理まで、外来全体の状態を把握して対応するという高い能力が求められるのです。