従来、「病床数100床以上で、内科・外科・産婦人科・耳鼻咽喉科・眼科の5科以上の診療科を擁する…」などの要件を満たした医療機関を「総合病院」と呼んでいました。
しかし、1997年に医療法が改定されたことを機にこの区分は無くなり、代わりに「地域医療支援病院」が制定されました。
現在、私たちが「総合病院」という場合は、上記の主要な診療科と入院、検査施設を持った大型病院を意味しています。
総合病院は診療科目が多く、急性期の患者も多いため数多くの症例を経験することができます。専門科では診断が難しい疾患に対して他の診療科目との連携による総合的なアプローチが行えるため、幅広い看護の知識を習得することができます。他科のスタッフとの情報を共有するなかで、コミュニケーション能力を養うこともできます。
採血などの各種の臨床検査は専門の担当部署が行いますので、総合病院における外来勤務の業務内容は、点滴ルートの確保をはじめとする診療補助、病棟、検査部門、手術室との連絡業務などが高い割合を占めています。
入院患者の状態管理、与薬(点滴を含む)、診療補助を行う病棟勤務の場合、夜勤が求められます。2交替制と3交替制のメリット・デメリットの比較は看護師によって受け取り方が異なるかと思いますが、以前の病院と違う交替制で働く際には慣れるまで、生活リズムを崩しかねないので転職をご希望の方は、その医療機関のシステムがどうなっているかを確認しておきましょう。
また現在は独身の方も、結婚・出産後も育児をしながら働き続けられる制度(短時間正職員制度など)や施設(24時間託児所の有無など)が整備されているかどうかも要チェック項目です。
経営基盤のしっかりした総合病院は検査、治療、病理解剖など各種の医療施設・機器が充実しているほか、教育制度、勉強会、資格取得や学会出席に対する支援制度も整備されているため、看護師としてのキャリアプランを明確に持った、勉強意欲の強い方にはおすすめの職場となっています。