高齢者の増加と入院日数の短縮化で高まる訪問看護のニーズ

主役は患者と介護を行う家族

宮城県には80ヶ所に訪問看護ステーションがあり、そこで働く訪問看護師の数も入院日数の短縮化や高齢化社会の影響を受けて増えています。

訪問看護ステーションで働く看護師は、自宅で療養生活を送る利用者の自宅を訪問し、医師による訪問看護指示書に基づいた医療処置を行ったり、利用者・家族からの相談に対して医療の専門家の立場からアドバイスを行います。

例えば、呼吸器疾患を抱えて在宅酸素療法を行っている人は訪問看護ステーションの利用者のなかでも高い割合を占めているのですが、呼吸器の機能が低下している利用者は、適切なコントロールが行われていないと、酸素不足で意識を失ったり、風邪を引いただけで呼吸困難になったりします。

そこで訪問看護師は、定期的に自宅を訪問して、「酸素の量は適切か」「呼吸の状態は安定しているか」などの状態の把握し、肺の音を聴診して以上の早期発見に努めます。

また、がんの末期状態にあるものの最後の時は自宅で迎えたいという利用者の場合には、「痛みのコントロールはできているか」「家族に負担がかかりすぎていないか」などを確認します。

病院で働く看護師と大きく異なるのは、利用者や家族が主となって自分達で処置や介護を行えるように教育的に関わり、その人らしく過ごせることを最優先するという点です。

また、訪問看護師は基本的に利用者の家を一人で訪問するため、個人で判断を行わなければなりません。利用者が緊急時にどのような対応を望んでいるのか(延命治療の希望の有無など)、医師の治療方針はどうなっているのかなどの情報をスタッフ間で共有し、看護方針を確認しておく必要があります。判断に迷う場合には、管理者や主治医に連絡して相談することもあります。

訪問看護のお仕事は原則的に日勤のみ、土・日・祝日は休日のところが多いので、仕事と家庭をバランスよく両立させたいと考えている看護師が安心して働けます。

ただし、教育・研修システムが充実している一部の大手訪問看護ステーションを除いては、新卒の看護師が最初に選ぶ職場としてはあまりオススメできません。1人で利用者宅を訪問して処置を行うため、一般的に3〜5年以上の臨床経験を採用条件として求めているところがほとんどです。